寒く、太陽も数時間しか昇らない、そんな冬を乗り越えるため、北欧の冬にはたくさんの楽しみが散りばめられています。なんとなくイメージはできるけど、でもそれって本当はどんなものなのなんでしょう?
少しでも知ることができればきっと、皆さんも「冬」がもっと好きになれますよ(*^^*)
●北欧のクリスマス Jul ユルとは・・・
北欧好きであれば一度は目にしたことがあるだろう「JUL」の三文字。日本語では「ユル」と読みます。JULは北欧におけるクリスマスシーズンのこと。もともとは冬至祭を意味していた言葉であり、JULの意味も北欧神話に登場するオーディンの別名から派生したものと言われています。そのためか、JULは12月13日(昔の暦上の冬至)の聖ルチア祭(後述)から始まり、クリスマスイブの日に北欧各国でおなじみの妖精たち(トムテ、ニッセ、トントゥなど)がプレゼントを運んできてくれるのだそう。
キリスト教と北欧神話の伝統行事が交じり合い、北欧独自のクリスマスとして親しまれています。
●北欧の伝統行事「聖ルシア祭」
聖ルシア祭は旧暦でいう冬至の日である12月13日に行われる北欧の伝統行事で、キリスト教の聖人ルシアに「暗くて寒い冬を明るく照らしてくれますように」との祈りを込めて、白いドレスに身を包んだ子供たちが歌を歌いながら町の中を行進する一大イベントです。
先頭を歩くルシア役の子は頭に蝋燭を飾った冠をかぶり、その後にルシアのお付き役の子供たちが蝋燭を手に続きます。最後尾は、星の少年役として、星形のオブジェを手に持った男の子が務めます。
暗く夜に町を包み込む、子供たちの光と歌声が、北欧の長い冬に光をもたらしてくれるのです。
●トムテ、トゥント、ニッセ・・・北欧の冬の妖精たち
クリスマスの時期になると日本でも目にするようになったサンタさんのような小さい小人たち。それがトムテやニッセと呼ばれる北欧の妖精です。国ごとに名前が変わりますが、みんな共通しているのは「赤い三角帽子をかぶっている」こと。
スウェーデンでは「トムテ」と呼ばれ、普段は家事を手伝ってくれる妖精で、そのお礼としてクリスマスにはスープやおかゆをもらいにやってきます。「ニッセ」はデンマークやノルウェーの妖精で灰色の服に赤い帽子をかぶっています。フィンランドでは「トントゥ」という名前で大忙しのサンタさんのお手伝いをしてくれるなど、どの国でも働き者の妖精さんたちです(*^^*)
ちなみに、北欧ではサンタさんは煙突からではなく、直接子供たちにプレゼントをくれるそうです。
・フィンランドの冬の伝統菓子「ルーネベリタルト」
フィンランドで冬の時期に食べられる限定スイーツ「ルーネベリタルト」。この「ルーネベリ」とはフィンランドの国民的詩人の「ヨハン・ルドヴィグ・ルーネベリ」が由来です。フィンランドの国歌「Maamme(我が祖国)」の作詞をしたことで有名な彼の誕生日、2月5日は「ルーネベリの日」として街中にフィンランド国旗が掲げられます。
そして、このスイーツはルーネベリさんの奥様フレドリカ・ルーネベリが、彼のために家の余り物で作ったのが始まりとされています。
フィンランドの偉人が愛した甘いタルトは、温かいコーヒーや紅茶によく合います。