デンマークコペンハーゲンで生まれたビヨン・ウィンブラッド(1918-2006)は
生涯にわたり想像力に満ちた作品を作り続けました。常に新しい価値観を探求し、
自分自身を改革し続けた彼は、いつしか「千の顔を持つ芸術家」と呼ばれるようになりました。
デンマークの政界に精通し、当時の首相ともよく政治について話し合っていたという父や祖父とは違い、ビヨンは絵を描いたり小説を書くことのほうが好きでした。
彼は夢想家であり、政界入りする野心よりもなによりも、自分の創造性を果てしなく表現できる芸術に喜びを見出したのです。
彼の作品の一番の魅力は、「EVAシリーズ」に代表される幻想的で愛らしいデザインでしょう。
彼の描く表情は東洋的でありつつも、華やかで喜びと自信に満ち溢れています。
1940年代にはすでにアーモンド型の目に美しい花を持つ女性像が彼の手によって描かれ始め、
その後グンナー・ニールンドも所属していた「Nymølle」で数々の名作を世に放ちました。
当時、シンプルなデザインのほうが好まれていたデンマーク国内において、まさに一斉を風靡した
名デザインたち。それは日常に鮮やかな色彩を差し込み、「飾る」楽しみをより一層深く
感じさせてくれます。