ベルサは葉っぱが象徴的なパターンで、ファブリックでも陶磁器でも当時から人気があった。
スティグ・リンドベリは、メロディーやフルーツボックス、ハーバリウム、ポテリー、ラストガーデンなども制作した。
現代も製造が続いているので、これらのファブリックを当時の空気感を封じ込めたままに存分に楽しむことができる。
さらに、ファブリックパネルに仕立てれば、パターンに込められた想いを体で受け止めることができる。
カジュアルな雰囲気があるので、壁に掛けるとちょうどよい空間のアクセントになる。
パネルの正面に立って見つめると、自分自身がその世界に入り込んだ感覚にもなれる。
“飾る”は居心地も良くなるし、明日のわたしたちを作る大切なプロセス。
ファブリックの端には生産した国名があって、その横にメーカー名があり、さらにデザイナーの名前がある。
「署名入りテキスタイル」 Signerad Textil。
ここに至るまでには語りきれないストーリーがある。
20世紀に入ってから繊維業はとても大きな産業となり、大量生産が活発に行われた。
たくさんのデザイナーがパターンを作り、パターンの購入者が自由に色などを変更していた。
パターンを作った人がいる、という意識は薄かった。
その時代に開かれた展覧会「Signerad Textil」はパターンのデザイナーに注目させるものだった。
アルヴァ・アアルト、オーレ・エクセルもいたし、スティグ・リンドベリもいた。
このときのプリントは、非常に高い技術を持ったユンバリ社が担当した。
これ以降、ファブリックのパターンが大切な資産になった。
職人の技術とデザイナーの構想が合わさるファブリックは工芸品となり、時代を経た現代ではアートとも言える。
現在のユンバリ社は、当時のリンドベリのパターンを版として保管し、それを元にリンドベリの世界を堪能できる高品質なファブリックを製造し続けている。